恋する白虎
フワリとミントの香りが広がり、視線がぶつかる。

その途端、先日の慶吾の言葉を思い出して杏樹は息を飲んだ。

『杏樹を、俺の嫁さんにしてー』

どうしよう。

どう接したらいいか、わかんない。

「あのさ、これ、縫って」

バスケのユニフォームだ。

「おっけ」

「今日、夜、取りに行っていー?」

「うん」

「助かるー。じゃ、後でな」

部活に行くのか、慶吾は慌ただしく教室を出ていった。

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