恋する白虎
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次の日、杏樹はスッキリと目覚めた。

…。

昨日は帰ってすぐに寝た。

そのせいか爽やかな気分だった。

あー、よく寝た。

そう思いながらベッドから身を起こしたとたん…。

「うわああああっ!!」

な、なんでいるの!?

なんで、私の家に入ってきてるのっ!!

なんと部屋の片隅のソファの上に、白虎永舜があぐらをかいて座っている。

杏樹は半泣きになって言った。

「どうやって入ってきたの!?やだ、やだ、警察呼ぶからっ!!」

…警察…誰だ、それは。

白虎永舜は低く静かな声で言った。

「どうせ俺の事は見えない」

杏樹は眉を寄せた。
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