恋する白虎
「は?見えない?!なんで見えないの!?見えてるし!見えてるし!」

杏樹の怯えた顔を見て、白虎はうろたえた。

なんでそんなに怯えるんだ。

「俺は白虎だ」

「もう知ってるわよっ!白虎永舜って名前なんでしょ!」

…しかし声がでかい。

白虎は静かに立ち上がると杏樹に近寄ろうとした。

「きゃあああっ!誰か、たっすけてーっ!!」

耳をつんざくような大悲鳴に白虎は驚いて、咄嗟に杏樹を抱き寄せるとその口を塞いだ。

うぐっ!!
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