恋する白虎
杏樹は思った。

野生的で、細かい事にこだわりそうじゃない人だな。

あ、人じゃなかった。

窮奇だ。

杏樹はフウッと笑った。

窮奇は眉を上げて白い歯を見せた。

「なんだよ」

「ううん、別に」

窮奇は赤髪をバサバサとかきあげた。

「ったく、調子狂うぜ」

杏樹は首をかしげた。

「どーして?」

どーしてって。

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