恋する白虎
「びゃっこって、なに?」

「一族で西の天を守ってる虎だ」

「トラ………」

もう、意味わからないし早く帰ってほしい。

こ、怖いよー……!


杏樹の瞳から涙がポロポロとこぼれて、白虎はオロオロした。

「あ、杏樹、泣くな」

「ううっ…!ひっく、だって、だって、怖いんだもん」

俺が怖いのか。

「なんにもしない」

「怖いよー」

白虎は杏樹の髪を優しく撫でた。
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