恋する白虎
空気を震わせて餓鬼が笑った。

「死んじまうぜぇ?」

窮奇は慌てて外へと飛び出した。

「何で死ぬんだ」

餓鬼が笑った。

「何でだ?そりゃあ、人間がこの地底…煉獄で生きれるわけねーだろがぁ。生きてる人間にとって、ここの全てが毒なんだよぉ!」

餓鬼は愉快そうに笑った。

「早く食わなきゃ、腐っちまうぜ」

窮奇は、愕然とした。

生きてる人間は、この地底で、生きられねぇのか。

そんな……!

窮奇は人間界で生きることが出来ない。

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