恋する白虎
「怖くない」

杏樹は怖くて永舜を見ていられなくて、両手で顔を隠して泣いた。

「だって、ネズミを食べたじゃん!」

「悪かったと思ってる。話の途中に」

杏樹は耳を疑った。

話の途中かどーかは問題じゃないわっ!

やだ、完璧にズレてるしイカれてる…!

「話の途中とか、終わってからなら食べてもいいとかじゃないしっ!
生きてるネズミを捕まえてそのまま食べちゃうって、ありえないからっ!!」

なんと!

永舜は驚いて眉をあげた。

「杏樹は、ネズミを食べないのか?」

「食べるわけないじゃんっ!今時の猫でも食べんわっ」

ね、猫…。
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