恋する白虎
「永舜よ。
約百年ぶりの再会だぞ。
父と呼ばぬか」

永舜は、頭を下げて続けた。

「父上、帰還したばかりで申し訳ないのですが」

永神は、永舜の足元に横たわる人間の女を見ながら口を開いた。

「それは」

「俺の妻にする女です。
ですが、煉獄の毒にやられ、白虎丸薬を飲ませたのですが、血を吐いて」

そこまで言った時、

背後で懐かしい声がした。

「早く、蘭寿草を飲ませないと、助からないぜ」


振り返ると、永蒼(えいそう)が、ニヤリと笑いながら近付いてきた。

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