恋する白虎
明くる朝、杏樹は早くから目覚めた。

起き上がると、夕べと同じように、白銀の髪のエイシュンと名乗った男が壁際に腰掛けていた。

「エイシュンさん」

杏樹が小さく呼ぶと、永舜はパッと眼を開け、立ち上がった。

「目覚めたか」

永舜は杏樹の傍に歩み寄ると床に膝をつき、目の高さを合わせた。

なんて、綺麗な顔なの。

杏樹は、永舜の整った顔立ちに見とれた。

涼しげな眼に、通った鼻筋。

永舜は、杏樹を見つめた。

こうして至近距離から見つめていると、自分を思い出すのではないか。

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