恋する白虎
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約二ヶ月前…。

白虎永舜(びゃっこえいしゅん)は、懐から白虎帳(びゃっこちょう)を取り出した。

白虎帳とはいわば、修業中の白虎に課せられた課題がしたためられた帳面で、与えられた百年の間に書いてある全ての事柄を成し遂げなければならない。

もうすぐ終わる。

白虎は帳面の最後を凝視した。

意識を集中させてわずかに眼を細めると、真っ白なそこに文字が浮かび上がってくる。

白虎はその文字を読んでニヤリと笑った。

こんなの簡単だ。

俺の魅力を持ってすれば、女などイチコロだ。

白虎は夜空を見上げた。

空の三日月は、まるで自身の爪のように鋭かった。
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