恋する白虎
リンがそこまで言った時、永舜の顔が曇り、切なそうに遠くを見た。

「永舜さま……?」

リンは胸を突かれて永舜の横顔を見つめた。

それから声のトーンを落とし、気遣うように言った。

「永舜さま……何があったのでございますか?」

「……」

「大丈夫です!誰にも言いません。
それに、永舜さまにしっかりとあの女の人をつかまえていただいておかないと、私が困ります。
私は、永蒼さまが……」

永舜は、そこまで言って赤くなって俯くリンを見つめた。

「すまない、俺が不甲斐ないばかりに」

「そうお思いになるのなら、お話になってくださいませ。話すだけでも、気分が晴れたりするものです!
お互いのために、ここは協力しましょう」

永舜は、可愛らしいリンの笑顔をみてフウッと笑った。

「わかった。互いのために協力し合おう」
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