恋する白虎
思わず自分の想い人の名を出してしまい、リンは真っ赤になって俯いた。

なんて可愛い人なの。

杏樹は、リンを見てフワッと笑った。

リンは美しい花のような杏樹の笑顔を見て息を飲んだ。

ああ、この人は。

…永舜さまが夢中になるのがよく分かる。

なんと言うかこう…本当に心が綺麗なんだろうな。

「リンさんは、エイソウさんが好きなんですか?」

リンは顔を上げて、恥ずかしそうに頷いた。

「はい…。か、完全な片想いですけど…永蒼さまは、その…凄くモテるし…」

杏樹はそんなリンを羨ましく想いながら口を開いた。

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