恋する白虎
「私に出来ることがあれば、なんでも協力します。でも…」

杏樹は、先日永蒼に抱き抱えられ、キスされそうになったのを思い出して口ごもった。

『 お前は確かに記憶を無くしたが、大した事じゃない。
……これからを、ふたりで始めないか? 』

初対面であんな風にするなんて…。

リンはアハハと元気よく笑った。

「え、永蒼さまは、凄く女好きで、手が早いんです。分かってます。でも、好きなんです」

リンは切なそうに眉を寄せて空を見つめた。

その時である。

「元気にしてるか、杏樹」

声と共に、部屋の入口に永蒼が見えた。

「きゃあーっ」

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