恋する白虎
西天の白虎達は、子供を除き、全てが各々の得意分野で能力を発揮し、大聖白虎の下、西天を守っている。

例えば、力の強い者、炎を吐ける者、足の早い者、毒に強い者、頭脳明晰な者。

これらの者を全て把握し、大聖白虎が策を高じて人選し、様々な問題に備えるのである。

「この度は、鴆による西天通過の阻止を図るため、炎隊を半分に分け、ひとつを西天全体に配置する。なお、あとの半分は永舜が率い、西天より手前、離れた位置に配置する。その後を虎爪(こしょう)隊、次に神速隊と毒耐隊の合隊を構成配備し、その他の者は弱者の守りにあたれ」

「いよいよだな、父上」

永蒼は、ニヤリと笑いながら自分の頬を撫でた。

「戦いは目前だ。心してかかれ」

大聖白虎は二人の息子、永蒼と永舜に静かに告げた。
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