恋する白虎
「あっちにいったぞー!!」

「女子供は外へ出るな!」

「うわあぁ!」

あの声は……永蒼さま!!

リンは思わず駆け出した。

「リンさんっ!!」

リンは、拳を片方の掌で包んで白虎に変わると、目にも止まらぬ早さで空へかけ上がった。

「永蒼さまー!」

どうしよう、リンさんが!

杏樹はリンを追いかけた。

屋敷の入口まで走り、空を見上げると、白虎達が必死で鴆の飛来を阻止していた。

白虎の炎が至るところで吐きあがる。

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