恋する白虎
三日が過ぎても永舜は目覚めなかった。

杏樹はつきっきりで看病したが、やがて永蒼にたしなめられた。

「お前がそんなにやつれてちゃ、目覚めた永舜が悲しむぜ」

「でも、私を庇ってこんな事になったんだし」

杏樹の言葉を途中で遮り、永蒼は斜めに杏樹を見下ろして笑った。

「良いこともあったぜ。リンが目覚めた」




「リンさん!!」

杏樹は、永蒼の屋敷の一室に寝かされているリンに声をかけた。

あまりの嬉しさに、思わず駆け寄る。

「リンさん」

< 238 / 270 >

この作品をシェア

pagetop