恋する白虎
第七章
恋する白虎
永蒼は、自分をかばって重傷を負ったリンを、自分の屋敷に連れていき、つきっきりで看病した。
その甲斐あって、一部の記憶をなくしたものの、リンは順調に回復していった。
杏樹はとても嬉しかったが、一方でまだ目覚めない永舜がとても気掛かりだった。
「ったく、アイツはのんびりしすぎなんだよ」
永蒼は、リンの口に食事を運びながら毒づいた。
「俺は百年白虎の修業にゃ出ねえからな。そもそも、大聖白虎の座を継ぐ気なんかねーんだから、永舜に早いとこ目覚めてもらわないと困るぜ」
「お二人のうち、どちらかが大聖白虎の座を継ぐんですか?」
「そ。直系だからな。けど俺は早々辞退したぜ。父上の後を継ぐのは、あのネクラの永舜がぴったりだぜ」
またネクラって……。
杏樹は、言葉とは裏腹に、優しい仕草でリンに食事を食べさせている永蒼を見つめた。
その甲斐あって、一部の記憶をなくしたものの、リンは順調に回復していった。
杏樹はとても嬉しかったが、一方でまだ目覚めない永舜がとても気掛かりだった。
「ったく、アイツはのんびりしすぎなんだよ」
永蒼は、リンの口に食事を運びながら毒づいた。
「俺は百年白虎の修業にゃ出ねえからな。そもそも、大聖白虎の座を継ぐ気なんかねーんだから、永舜に早いとこ目覚めてもらわないと困るぜ」
「お二人のうち、どちらかが大聖白虎の座を継ぐんですか?」
「そ。直系だからな。けど俺は早々辞退したぜ。父上の後を継ぐのは、あのネクラの永舜がぴったりだぜ」
またネクラって……。
杏樹は、言葉とは裏腹に、優しい仕草でリンに食事を食べさせている永蒼を見つめた。