恋する白虎
身を翻して野ネズミに飛び付くと、バックリと口に放り込んで丸飲みにした。

…三日前から何も食べていなくて空腹であった。

あー、うまい。

小ぶりだが、うまい。

杏樹はビックリして眼を見開いた。

はっ!?

えっ?

ええーっ!?

嘘でしょ!!

やだ、やだ……!

嫌ーっ!!

杏樹は、野ネズミを丸飲みにし、満足そうにこちらを向いた永舜を見て後ずさった。
< 7 / 270 >

この作品をシェア

pagetop