恋する白虎
……嘘でしょ?

私、私…。

胸がグーッと重いような、ゾワゾワするような変な感覚に襲われて、息を飲んだ。

やだ、どうしよう。

私、私…。

私、永舜が好きなんじゃない??

だって、白虎だって、人間じゃないって分かってるのに……。

最初の、憧れに似た軽い『好き』じゃなく、ホントに好きになっちゃったって事?

杏樹は胸に手を当てた。

どうしよう!

永舜は人間じゃない。

白虎と恋愛なんて出来ないし、上手くいきっこない。

どうしよう!!

その時、玄関のドアが開く音がした。
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