恋する白虎
「お邪魔しまーす」

美雨は、杏樹の家の玄関で靴を揃えると、キョロキョロと辺りを見回した。

「凄く立派なお家だねー!」

「そーお?古いだけだよ」

永舜の姿がない。

美雨は杏樹の耳元で囁いた。

「ねえ、白虎は?」

杏樹はクスッと笑った。

「自分の部屋で寝てるんじゃない?行ってみれば?私の部屋の隣。入ってみ」

美雨はパッと顔を明るくして頷いた。

杏樹は美雨から袋を受け取りながら言った。

「私は、お茶の用意してるから」

キッチンに入り、袋をテーブルに置くと、杏樹はお茶を沸かし始めた。
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