恋する白虎
「きゃ」

思わず顔を赤くする美雨に、永舜は眉をあげ、それからフッと笑った。

「大丈夫か?」

美雨は上目遣いで永舜を見上げ、可愛らしく笑った。

それは付き合い始めた恋人同士のようで、杏樹は思わず眼をそらした。

お茶を飲んでいる間、美雨は明るく話し続け、永舜に質問したり彼の答えに眼を輝かせた。

最初は遠慮ぎみだった永舜も、美雨を見つめて言葉を返し、白い歯を見せた。

……。

「ねえ、そろそろDVD観ようよ!」

「うん、いいね」

「怖いやつ、借りてきたんだ!
独りだと怖くて観れないから、今日がチャンス!」

そう言って美雨は、永舜と杏樹を代わる代わる見つめた。

殺人鬼がどんどん殺しをエスカレートしていき、ターゲットを追い詰める。

話が進むにつれて美雨は怖がり、大きな効果音が響く度に永舜の腕にしがみついた。
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