初恋
中学生の間に、もう一度神戸に行って、
そのあとはしばらく年賀状だけの付き合いが続いた。
高校生になった兄に、生意気にも彼女ができると、
直ちゃんも誰かとつきあったりするのかな、なんて考えて
しばらく眠れなかった。
だけどまあ、それも数日で、
健康なわたしは夕食を食べて、勉強机に座るととたんに睡魔が襲ってくる。
平和な毎日が続いた。
高校生になって携帯電話を買ってもらうと、
思い切って直ちゃんに電話をしてみた。
母の手製のアドレス帳をめくっていると、
父が複雑な顔で母に何か言っている。
「あほやで。直ちゃんだってもうかわいい彼女おるやろ。」と
母が聞こえよがしに言うので、わたしは初めて親に殺意を覚えた。
直ちゃんが携帯を持っているかどうか知らなかったから、
(多分持っているだろうと思っていたけど)
家のほうに直接かけてみる。
幸いなことに直ちゃんが出て、彼の携帯の番号とアドレスを教えてもらった。
それから、わたしはあんまりしつこくならないように気をつけながら、
日々の生活を直ちゃんにメールで連絡し始めた。
直ちゃんは迷惑と思っているのか、そうでないのかわからなかったけど、
遅くなってもぜったいに返事をくれたので、
くだらないメールのやり取りが続いた。
進路を相談したときも、「みーちゃんの好きなところへ行けばいいと思うで」と返してくれた。
好きなところへ行こう。
「神戸の学校に行く」と両親に言うと、
母が、
「ほんまにあほやな。」とあきれたようにつぶやいた。
そのあとはしばらく年賀状だけの付き合いが続いた。
高校生になった兄に、生意気にも彼女ができると、
直ちゃんも誰かとつきあったりするのかな、なんて考えて
しばらく眠れなかった。
だけどまあ、それも数日で、
健康なわたしは夕食を食べて、勉強机に座るととたんに睡魔が襲ってくる。
平和な毎日が続いた。
高校生になって携帯電話を買ってもらうと、
思い切って直ちゃんに電話をしてみた。
母の手製のアドレス帳をめくっていると、
父が複雑な顔で母に何か言っている。
「あほやで。直ちゃんだってもうかわいい彼女おるやろ。」と
母が聞こえよがしに言うので、わたしは初めて親に殺意を覚えた。
直ちゃんが携帯を持っているかどうか知らなかったから、
(多分持っているだろうと思っていたけど)
家のほうに直接かけてみる。
幸いなことに直ちゃんが出て、彼の携帯の番号とアドレスを教えてもらった。
それから、わたしはあんまりしつこくならないように気をつけながら、
日々の生活を直ちゃんにメールで連絡し始めた。
直ちゃんは迷惑と思っているのか、そうでないのかわからなかったけど、
遅くなってもぜったいに返事をくれたので、
くだらないメールのやり取りが続いた。
進路を相談したときも、「みーちゃんの好きなところへ行けばいいと思うで」と返してくれた。
好きなところへ行こう。
「神戸の学校に行く」と両親に言うと、
母が、
「ほんまにあほやな。」とあきれたようにつぶやいた。