すべてはあなたから教わりました。
あの彼女から何もなく帰れたらいいけど…。

涼は何だかソワソワしていて、
私まで焦った。
私だって、会いたくないし。


「早く行こう。」
いつも私のペースで歩いてくれるのに、すごい早歩き。
着いていくのがやっとだった。

「涼ー!そう簡単には逃がさないわよ。」


会うことはないと思っていたのに、いきなり出てきた彼女が怖くなって鳥肌が立った。  


「何で追いかけてくんだよ。」
涼はため息をついて、冷めた目で彼女を見た。

「私、あの頃と変わらずに好きなのに。ここに来ると思ったから、きたのよ。」

あの頃…。
やっぱり付き合ってたのかな。


「また好きでもないのに付き合ってるんでしょ?」
「違う。」



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