すべてはあなたから教わりました。
「コイツの家族、いなくてさ。親戚の人に言ったんだ。そしたら、あっさり産んでいいって。」
「そっか…」


子どもがいるなんて嘘だと思ったし、もしいたとすると中絶になるのかと思うと、可哀想だったからよかった。


「涼のおかげで、家事が楽になったわ。子どものために、大阪の親戚に引っ越すことになったの。この後出発するところでね。」


そっか。だから一週間だったんだ。



「赤ちゃん、元気に産まれてくるといいね!」
「ありがとう。本当に、ごめんなさい。」


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