すべてはあなたから教わりました。
文化祭で一緒に歌った時の顔はすごく幸せそうで、
涼の音楽に対する気持ちは十分過ぎるほど分かっていた。


歌手を目指すという夢を諦めないでほしかった。
一緒に叶えたかった。

店を出て、電車に乗り、
家まで送ってもらう。


その間も、ただお互い黙ったまま。
涼は私からの言葉を待ってるんだろうけど、私は頭の中が整理出来なくて、何て言えばいいのか分からなかった。


涼が帰ろうとした時、

「美雪。俺は歌が好きだよ。でも、歌は美雪にだけ聴いてくれたらいいから。」




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