センブンノサン[完]
もう、疲れた。
こんな人、もう構ってやらない。
こっちから願い下げだよ。
「もう2週間前のことも、さっき聞いたことも、全部捨てるから。話しかけなくていいからさ、だからもう、普通にしてて。絶対に関わらないなんて、逆に意識してエネルギー使うじゃん」
「玉野……俺は」
「私は、千堂君のことを何も知らないただの同級生に、戻るよ」
彼の顔を見ることが怖かったから、それだけ言い残して図書館を去った。
去ってから、ネクタイを図書館に落としたままだったことに気づいたけど、もうどうでもよかった。
去り際千堂君が静かに泣いていたような気がしたけど、
もう、それも、全てどうでもよかったんだ。