ギャルがゲーマーやってちゃダメですか?
「そ、そーいえば私、この前旅行に行ってきたんですけどね、ご飯超美味かったんですよ!」
「へぇー。」
質問してもダメ。私の話をしてもダメ。
気を遣わないでって言われてもこんな返答じゃ何も言えないわ。
「お前さー、俺のこと苦手だろ? 他んとこ行けばいーじゃん。ボーイに言ってこいよ。」
「...!」
いきなりの言葉に呆気をとられた。見透かされていた。顔に、態度に、全てに表れていた。こんなんでよくキャバ嬢やってるなって自分でも感心してしまうほど。
「そんなことないですよー!気にしすぎじゃないですかー?」
私ができる精一杯の嘘だった。
当然私のドリンクが届いてもこの調子で、心を抉られながらも楓さんの帰りを待った。
時間がとても長く感じた。