ギャルがゲーマーやってちゃダメですか?
玄関のドアノブをゆっくり回し、音をたてないようにして引いた。
「...ただいま」
寝ているであろう和哉を起こさないように、小さな声で発した。
返答はない。
辺りを見回しても、耳を澄ましても、誰かがいる気配はない。
お母さんもお姉ちゃんも留守のようだ。
なんだ。
私のドキドキ感を返せ!
ドアを閉め、鍵を掛けたが、静寂に響き渡る物音はとてもうるさく感じた。
足音をたてないように、歩かずに足をスライドさせながら進む。
和哉の部屋の襖を、隙間から中を伺いながら開ける。
ミシミシミシ。
思っていた以上のボリュームで軋み、鼓動が跳ね上がる。
...寝息が聞こえる。
和哉はぐっすりと寝ていた。