ひとくせ、ふたくせ。
二度寝してやろうかと思ったが、目は覚め切ってしまっている。
重いからだと痛む頭を持ち上げて、今日の支度に取り掛かる。
櫛で髪をとかしながら、鏡を見ると目が赤く腫れた自分が映っていた。
――もっと輪郭がシュッとしてて。髪も…栗色の短い糸のような髪…
「だあああああああっ!!!!!!」
せっかくきれいにした髪をぐしゃぐしゃにしてベッドにダイブする。
こんなの――あたしじゃない。
こんなあたし―――知らない。