ひとくせ、ふたくせ。
「あ。お久しぶりーす。」
先輩の恋心に私が気付いて3日が経ったころだ。
先輩との関係は今まで通り。
そんなところに――。
「「「に、西山!!!!!!」」」
「いやあ・・・もういやっすね、盲腸。」
だいぶ痩せ、だいぶ白くなって、西山が生還してきた。
いつもはワックスで立たせている髪が、今日は下ろされている。
「もう大丈夫なの?」
席に着く西山の顔色は、まだ悪そうだ。無理してきたのかと心配になる。
「さすがに俺の仕事もあるでしょ。波多野とリーダーがやってくれたって聞いたよ」
「…今更。溜めすぎだよ」
「いやあ、すまんすまん」
普通に応答ができるなら大丈夫そうだ。私は目線を西山からパソコンに戻す。