あなたの一番大切な人(1)
男は段ボールを手放し、腰に下げていた剣をゆっくりと抜いた。男の顔にたまらず笑みがこぼれた。
「なかなか、いい顔をもってるのに。そのぐれぇでやめとかねーと、その綺麗なお顔に傷がつくぜぇ。この刀はさっき研いだばっかだから、けっこう切れ味ええんだぜ。」
目の前の男は刀を無闇に見せびらかし、相手が恐怖でおののくのを楽しみにした。
周囲はいきなりの得物の登場にブーイングを起こしたが、国王は目を細めただけだった。
「バカだなお前。状況をみてやっていいことといけないことがあるって分かる年頃だろ?」
嬉しそうに相手を見つめ、自分も腰に下げた刀に手を伸ばした。
しかし、彼も予期せぬことが起こった。
左足に鋭い痛みが走った後、国王は大きく地面に倒された。
地面に倒された男のほうが、いきなり足を蹴り、さきほど国王が行ったように転ばせたのであった。
群衆は新たな展開に興奮し、口笛を吹くものまで現れた。
国王自身も新たな展開を心身喜んだが、その楽しみはいきなり終わりを迎えた。
「なかなか、いい顔をもってるのに。そのぐれぇでやめとかねーと、その綺麗なお顔に傷がつくぜぇ。この刀はさっき研いだばっかだから、けっこう切れ味ええんだぜ。」
目の前の男は刀を無闇に見せびらかし、相手が恐怖でおののくのを楽しみにした。
周囲はいきなりの得物の登場にブーイングを起こしたが、国王は目を細めただけだった。
「バカだなお前。状況をみてやっていいことといけないことがあるって分かる年頃だろ?」
嬉しそうに相手を見つめ、自分も腰に下げた刀に手を伸ばした。
しかし、彼も予期せぬことが起こった。
左足に鋭い痛みが走った後、国王は大きく地面に倒された。
地面に倒された男のほうが、いきなり足を蹴り、さきほど国王が行ったように転ばせたのであった。
群衆は新たな展開に興奮し、口笛を吹くものまで現れた。
国王自身も新たな展開を心身喜んだが、その楽しみはいきなり終わりを迎えた。