あなたの一番大切な人(1)
頭のてっぺんのぼさぼさの黒い髪はひとつひとつが短く、また耳のあたりの髪は少し長いためゴムで適当に縛られていた。
はっきりいうと、不潔だった。
見た目とは異なり、彼の持つ毛深く太い筋肉質の腕の前では、すべての人間がいとも簡単に投げ飛ばされるのではないかという考えが私の頭の中をよぎった。
もちろん腕につかまれている男も例外ではなかった。
私は唖然とその状況を見つめていたのだが、大柄な男に続いて小柄な男が独房に入ってきた。
さすがに四人が部屋に入ると少し窮屈に感じ、私はできるだけ鉄格子に張り付くように距離をとった。
目の前の丸く大きな瞳の青年は昨日と同じく派手な赤いマントを着ていた。
その色とまったく同じ瞳は際立って異彩を放っていた。
彼は私の前にしゃがみ、間の抜けた話し声を発した。
「ごめんなさいですねぇ、いきなりのことでびっくりされたんじゃぁないですかぁ?
僕の名前はミッドレー・ライトですぅ。
で、あっちの人がああ見えてこの国の王様、ジェスロ・デ・アオディですぅ。びっくりでしょ。」
楽しそうに笑い声をあげながら、彼は国王を指さした。
私はいきなりのことで驚きポカンとし、相手のされるがままに握手を交わした。
はっきりいうと、不潔だった。
見た目とは異なり、彼の持つ毛深く太い筋肉質の腕の前では、すべての人間がいとも簡単に投げ飛ばされるのではないかという考えが私の頭の中をよぎった。
もちろん腕につかまれている男も例外ではなかった。
私は唖然とその状況を見つめていたのだが、大柄な男に続いて小柄な男が独房に入ってきた。
さすがに四人が部屋に入ると少し窮屈に感じ、私はできるだけ鉄格子に張り付くように距離をとった。
目の前の丸く大きな瞳の青年は昨日と同じく派手な赤いマントを着ていた。
その色とまったく同じ瞳は際立って異彩を放っていた。
彼は私の前にしゃがみ、間の抜けた話し声を発した。
「ごめんなさいですねぇ、いきなりのことでびっくりされたんじゃぁないですかぁ?
僕の名前はミッドレー・ライトですぅ。
で、あっちの人がああ見えてこの国の王様、ジェスロ・デ・アオディですぅ。びっくりでしょ。」
楽しそうに笑い声をあげながら、彼は国王を指さした。
私はいきなりのことで驚きポカンとし、相手のされるがままに握手を交わした。