白黒王子と甘い恋
1章 ~優里side~
私の幼いころの記憶。

顔もわからないし、名前もわからないけどどこか懐かしいあの人のこと。

もう、思い出すこともないんだろうけど夢を見るたび思い出す。

何かを伝えようとしているみたいなんだけど、音は何もない。


「ねぇ・・・。なんていってるの?ねぇ・・・。」

その人の口元は、動いている。

「いつも何を伝えようとしているの?お願い。教えて・・・。」

でも何も聞こえない。

「ねぇ。聞こえないよ?」

その人は、微笑んでこっちを見ている。



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