白黒王子と甘い恋

~拓斗side~

朝から憂鬱だ。

教室まであと10メートルのところで、女子が群がってきて菜乃がいつの間にか教室に入っていた。

そのことに腹が立ったから、教室に強引にも入る。


「おい、菜乃。いっつも先に行くんじゃねーよ。」

と、怒りながら言うと菜乃はめんどくさそうな顔をして、

「だっていっしょにいたらいっつも進めないし、うるさいし。」

と吐き捨てるように言われた。

意外と落ち込むんだけどな・・・。

そんな菜乃の隣でいつも通り苦笑いをしている奴。

どんなに俺がアピールしようともきれいにスルーしていく。

鈍感だから仕方ないんだけどな。

俺が優里のことを好きになったわけは・・・。
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