友情よりも愛情を。


「ねぇ…あたしたち、友達じゃなかったの?」
「………少なくとも、俺が毎晩千佳のエロい姿想像してヌいてる時点で友達じゃねぇよな?」
「ギャー!ちょ、あんたはなんて事言うのよっ!」
「止めろよ……イテェだろうが!」

憲次のとんでもない発言に驚いて、真上の憲次の肩をバンバンと叩いた。
でもこんな体勢だから力なんか入らなくて、いとも簡単に憲次に手首を掴まれて、悔しくなって唇を噛み締める。




友達だと思ってたのに友達じゃないと言われ。
対等でいたつもりが、こんな風に押し倒されたら力では敵わなくて。
あたしは必死なのに、憲次が飄々としているのがどうにもこうにも悔しくて。


それに。
さっきから聞いた事のないような鼓動を刻んでいる自分の心臓の音がうるさくてたまらないから。



誤魔化しきれない、と思った瞬間、あたしはそっと憲次から目を逸らした。



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