好きなんて、言ってあげない。
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次の日、私はとにかく徹底的に伊槻を避けた。
「おはよ、由宇」
「……ふんっ」
朝、伊槻から挨拶されても顔も見ないし、返事もせずにひたすら無視。
「なぁ、そこまで避ける必要ないだろ」
そう言って不機嫌になった伊槻にも返事をせずに、その後どれだけ話しかけられても無言で突き通した。
絶対に返事なんてしてやらないんだから。
伊槻が私に告白してきたのは、からかいじゃなくて真剣だってことは昨日の伊槻を見て分かった。
もちろん、絶対にOKしないけど。
一度は不機嫌になった伊槻だけど、いつまでも私が無視していることに、昨日のことをちょっとは反省したのか、謝ってきた。
……が。
「なに怒ってんだよ。今までバカにしてきたことは謝るから」
私が伊槻を無視して避けているのは、今までバカにしてきたことを怒ってるからじゃない。
……昨日無理やりキスして、しかも私のファーストキスを奪ったことに罪悪感を感じていないことに対して、怒ってるだけだ。
今まで散々バカにされるのもムカついてたけど、今回私の許可なしにファーストキスを奪ったことが許せない。