好きなんて、言ってあげない。

「そこまで言うんだったら、今度こそすぐに彼氏作ってやるわよ。今日の放課後だって、呼び出されてるんだから!」


朝、下駄箱を開けたら入っていたラブレター。

下駄箱に手紙って、いつの時代だって突っ込みたくなる。

なんでも、直接告白するのは恥ずかしいけど、返事は直接聞きたいそうだ。

なんで私がそんな意気地なし男のために放課後の時間を割かなきゃいけないのよ。

今日の放課後は予定が入っているのに。

でも、学校では猫をかぶってるんだから行かないわけにはいかない。


「……へぇ、それで、その男と付き合うの?男の顔も見てないのに?」

「今度こそいい男に決まってるわ。……たぶん」

「その男が、由宇に釣り合うかも分からないのに?」

「伊槻が私をバカにするからよ!」


そうだ、伊槻が私に彼氏ができないなんて言うからこんな状況になったんじゃない。

なのに、なんでさっきから試すようなことばかり言うのか全く分からない。


「とにかく、今日の放課後彼氏できるから。覚悟してなさい」

「……ふーん、ま、無理だろうけど」
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