千年の時空を越えて
ほろ苦く甘い関係
部屋に戻ると、沖田さんも一緒に来た。
雪「お風呂入りたい・・・。」
総「銭湯はもう終わりましたよ。」
雪「そうですか・・・。」
江戸時代、家風呂は、庶民の家にはない。大体銭湯。しかも閉まるのは、夕方くらいまでだっけ?
雪「じゃあ、体、拭いてきます。」
総「じゃあ、僕も行きますね?」
雪「え?何でですか?」
総「一応、監視だし。」
それ言ってもいいの?でもそれなら仕方ない。コンパクトタブの変身は、機械のエネルギー消費があるので、普段は、男の変装でいいということになったため、男装をして二人で、台所へ向かう。
一応、男に変装したから、お節さんにはじめましての挨拶をする。挨拶しながら、もうガールズトーク出来ないと思うと、少し寂しい。
お湯をもらい、井戸の水でちょうど良い湯加減にする。
着物を脱ごうと肩まで出した所で、ふと気付く。
雪「あの・・・。向こう向いててもらえませんか?」
総「どうしてですか?」
雪「恥ずかしいです。」
任務の時は、色々と出来るが、今は違う。
総「別に良いじゃないですか。」
あまりに、軽く言われたので、この時代は、そうなのかと納得する。そういえば、混浴が当たり前だっけ・・・。
仕方なく、上半身脱いで、サラシを取る。沖田さんに背中を向けて、体を拭く。
ベトベトだった肌がスッキリしていく。気持ちいい。
満足していると、いつの間にか、沖田さんが、真後ろにいる。
雪「ひっ。」
総「驚きました?お化けじゃありませんよ。まぁ、おいわさんっていうお化けになってたのは、雪ですけどね。」
そう言ってツーっと背中を指で触れられて、「キャッ。」と声を出すと、笑われた。
なんか、この人危ない。
身の危険を感じ、すぐ、着物を着直した。