千年の時空を越えて
床の間の掛け軸の裏に板がはめ込まれていて、それを取ると、人、一人が入れるくらいの廊下がある。
雪「これって、ここから各部屋を覗けるんでしょうか?」
丞「かもな。ちょっと、行ってくる。もし、危なそうなら、先、逃げて。」
雪「わかりました。気をつけて。」
そう言うと、山崎さんは、細い、廊下を進んでいった。
しばらくすると、隣の部屋に、男数名と女の声がしてきた。
男「まさ・・・んな所・・思わない・・・。」
男「最近、土佐の奴が・・・。」
土佐?これって坂本龍馬の話?歴史書の新撰組の所は、読んだけど、ほかの幕末は、読めてない。
しかし、あまりにも声が小さすぎて、その後は女の喘ぐ声しか聞こえなくなった。
すると、山崎さんが戻ってきた。
雪「お帰りなさい。」
丞「うん。ただいま。なんか、俺・・・。勘違いしそうや・・・。」
雪「え?」
丞「ううん。何でもない。行こか。」
雪「はい。」
そう言って、部屋を出た。