千年の時空を越えて
初めてのケンカ
屯所に戻り、土方さんに報告をする。
そして、すぐ、組長さん達が呼ばれ会議をしている。
その間、私は、歴史書を読む。いつから坂本龍馬は、長州とつるんでたんだったっけ?それとも違う人?
そう考えていると、向こうからドスドスという足音が聞こえる。すぐに、歴史書を、ケースにしまった。
するとスパーーン!勢いよく、襖を開けて総司さんが何やら怒って部屋に入ってきた。
ガシッと両腕を掴まれ、
総「丞ちゃんと、茶屋に行ったって本当?」
雪「はい。潜入を頼まれたので。」
総「裸で絡んだっていうのは?」
雪「・・・。」
やっぱり、その事で怒ってる。
総「どうなんですか?」
雪「しました。」
総「どうしてですか?恋仲がいるのに、どうして他の男とそんな事をするんですか!」
雪「仕方なくです。」
総「仕方なくって!仕方なかったらあなたは誰とでもこんな事するんですか!?」
そう言われ、ギュッと胸が痛くなる。
そう、私は、任務なら、ここまでの事、平気でしていた。
最近、ここでは、まだ任務はないから平和に過ごしていただけ。
きっと私が異常なんだろう。これからも、必要なら、何度でも誰とでもするだろうから。
目を瞑り、深呼吸をする。
そして、目を開けて、仕事モードのスイッチを入れた。
雪「そうですね。しますよ。必要なら誰とでも、何度でも。」
総司さんは信じられないという目で私を見る。
雪「今回の件は詳しく聞かれましたか?」
総「聞いたから、怒ってるんです。」
雪「そうですか・・・。では、もういいです。」
総「何がですか!!」
雪「詳しく聞いても、それが必要であったと思ってもらえないんでしょう?もし、あの時、《そういうこと》をしていなかったら私達は斬られて死んでたでしょうね。」
総司「っ・・・。」
雪「宿に入った時、血生臭い臭いがしていました。しばらくして、部屋の覗き穴から視線を感じた。ずっと見られてました。そして、その後、男が一人わざと部屋を間違ったように入ってきた。覗き穴からは、行為が終わるまで見張られていました。あ・・・。もちろん、最後はフリですよ。それから、会合が行われていました。あの時、何もせずにいたらいかにも怪しいじゃないですか。だから、したまでです。」