千年の時空を越えて
私は、預かった物を持って、お梅さんの所へ行った。
雪「あの・・・。お梅さんですか?」
梅「えぇ。そうです。」
雪「お初にお目にかかります。私、芹沢先生のところで小姓としてお世話になっています。乾 雪之助と申します。芹沢先生からお梅様へと預かって来ました。どうぞ。」
梅「ありがとう。」
この人も綺麗な人・・・。芹沢さんは、面食いか・・・。
あまりにもジッと見つめてしまっていたようでお梅さんに笑われる。
梅「うちの顔に何か付いてますか?」
雪「えっ、いえ。あまりにお綺麗で見とれてました。ハハハ。」
梅「おかしな人やねぇ。ご自分も綺麗なお顔したはるやないの。最近、巷で、雪之助はんとお話ししたいゆうおなご多いんよ。遊廓では遊びもしやへん真面目なお方やて。」
雪「えぇ?いや、それは・・・。ハハハ。」
声が上擦る。
お梅さんにお茶でもと言われ、縁側で、お茶を頂いている。
雪「んー。このお菓子、美味しい!それにこの湯飲み可愛い・・・。」
美味しいお菓子を目の前におもっきり素が出てしまう。
梅「ふふふ。あんたと話ししてると、なんか友達と話ししてるみたいやわ。」
雪「あ・・・。すみません。」
梅「また、話ししてくれる?うち、ここへ来た理由が理由やしあの人もあんなんやろ?人が避けていかはるんよ・・・。だから、また話ししてくれると嬉しいわ。」
雪「もちろんです。」
梅「じゃあ、また、美味しいお菓子用意しとくわ。」
雪「ありがとうございます。」
そう言って、私達は、たわいのない話しを楽しんだ。