千年の時空を越えて
皆、雑魚寝をしていたが、私は、眠れる心境でない。
しとしと降る雨を窓から眺めボーッと考える。
自分が、暗殺するのには感情を排除出来るのに、今回はどうしても普通でいられない。
暗殺する側もされる側も良く知る人だからだろうか・・・。
心が苦しい。涙が出そう・・・。今、泣いちゃダメだ。私は、ズズっと鼻をすすり、涙を飲み込む。
「おい」
誰かに話しかけられビクッとなる。
振り向くと、永倉さんが横に座る。
新「どした?変な顔だな。」
そう言うと、頬を軽く、つままれる。
雪「ちょっと、痛いです。今、気持ちを落ち着かせていました。」
新「お前が、やる訳じゃねぇのにか?面白い奴だな。」
雪「まぁ。そうですけど。」
新「まさか、誰かが・・・?」
雪「いえ。そういうのではないんです。ただ、心がちょっと苦しいです。」
新「はぁ・・・。仕方ねぇな。」
そう言って、永倉さんが抱きしめてくれた。頭を何度も優しく撫でてくれた。
すると、原田さんが、
左「おいおい、お前ら何してんだよ。しんぱっさん、そんな事やってたら、総司と土方に斬られんぞ。」
とクククっと笑いながら、横に座る。
新「仕方ねぇだろ?コイツが、怖い夢見たとか言って泣いてやがるから。」
雪「泣いてません!」
新「おー、そうかい、そうかい。」
そして、私は、またギュッときつく抱きついた。