千年の時空を越えて
近「何か異議ある者はいるか?」
雪「ハイっ!」手を挙げた。
土「オイ。」
近「雪の力を充分、発揮出来る場だと思うが?」
雪「いえ。私に、お役目頂けたこと、本当に感謝致します。ありがとうございます。ただ、このお役目は、辞退したく思います。」
周りがざわめく。
近「雪・・・。どうしてだ。何か理由が?」
私は、コンパクトタブにコード入力し自分の時代の隊服に変身した。おぉぉぉぉとまたざわめく。
近藤さんの目の前まで歩き、ピシッと立ち、敬礼。休めの体勢にして、目の前に正座した。
雪「この通り、私は、未来の人間です。本来であれば、ここにいるべき者ではありません。そんな私が、こんな大層なお役目を頂く訳にはいきません。選んで頂けたことは本当に感謝致します。ありがとうございます。仲間と認めて頂いたようでとても嬉しいです。ただ・・・。私は、まだここでするべき事が沢山あります。ですので、ここにいらっしゃる幹部の方全員の小姓にして頂きたいです。雑用でも何でも致します。もちろん、どこかに潜入しろと仰るならします。どうか、お許しを。」
近「雪の気持ちはわかった。それでいい。」
雪「ありがとうございます。後、もう一つ。お願いがあります。」
近「何だ?」
雪「私に対しては、局中法度ある程度、緩めて頂きたいです。」
土「そりゃ無理な話だ。そんなもの一人許してしまうと、組の規律が乱れる。」
やっぱダメか・・・。
雪「では、私が、未来の任務を行う時は、理由を聞かず、法度を破る許可をお許し頂きたい。その時はある程度、報告させて頂きますので。どうか、お願いしますっ!」
そう言って、畳におでこを付けてお願いした。
近「・・・。わかった。でも、必ず、報告するように。君の直の上司は、としということにする。」
雪「ありがとうございます!」
近「ところで、その召し物はなんだ?」
雪「これは、未来の私の正装です。」
近「そうか。それもいいが、せっかくだから、前のやつまたやってくれ!」
雪「え・・・。前のって・・・。」
近「猫とかウサギとか色々やってただろう?せっかくの祝いだ!雪、頼む!」
雪「う゛・・・。そんな目で見ないで下さい・・・。私、近藤先生の命令は、何故か逆らえません。」
近「そうか、そうか。じゃあ頼む。」
そしてまた、以前のように、全員の要望に変身し、ポーズをとりセリフまで言わされたのであった・・・。