千年の時空を越えて
部屋に入ると、
雪「尋問か・・・。」
と呟いてため息ついてる。何かを隠してる。いくみ様って何なのかよくわからないし。あの声も、誘ってたのも。
土「雪、本当の事を言え。何を隠してる。」
雪「別に何も。」
土「じゃあ、武田を拷問にかける。」
土方さんが本気の低い声で言う。あーあ土方さん、武田さんの事、嫌いだから本当にやるだろうなぁ・・・。
雪は、ジーッと土方さんを見つめて、真意を探ってる。
しばらくすると、はぁーっとため息をついた。
雪「武田様、ごめんなさい。」
そう呟いて、彼女は続けた。
雪「練習してました。」
土「何の?」
すると、雪が、立ち上がり、土方さんの近くまで行き、
雪「ゆ・う・わ・く」
そう色っぽい声で言う。
後ろからその表情が見えなかったけど、きっと色っぽい顔をしているに違いない。
だってここにいてもドキドキする。
土方さんの顔は真っ赤だ。
なんか、気分が悪い。
他の人に見せて欲しくない気持ちと、真っ赤になっている土方さんにも腹立たしい。
総「何、茹でたタコみたいになってるんですか?そのまま切って差し上げましょうか?今なら、何のためらいもなく斬れますよ?」
土「うううううるさい!」
でも、雪は、まだ、続ける。クスッと笑ったかと思うと、
雪「土方さん?顔が赤いですよ?」
と、土方さんの頬に触れようとする。そして、ピタッとギリギリで止めて、
雪「とし。悪かったな。こんな所に呼び出して・・・。お前に伝えたい事がある。」
土・総「え?」
雪「とし。今まで、お前に色々してきたことを謝る。でもこれだけはわかって欲しい・・・。としを想うあまりその想いが行き過ぎてお前の嫌がる事を色々してしまった。ただ、この気持ちは、とし・・・お前を好きすぎてしてしまった事。許してくれ。」
土「雪・・・。お前・・・」
総「雪!どういうことですか!!」
何で!土方さんが好きなの!?僕の前で何言うの!?
雪はさらに土方さんに近づき、頬に触れようとするのを止める。
雪「とし・・・?」
土「・・・。」
スーッと髪の毛を触って撫でる。首を傾げて、
雪「俺のこと、好きになってくれないか?としが俺を好きになってくれるまで待つ。だから俺はお前を好きでいていいか?」
土「あぁ。俺は・・・。」
もう聞きたくない!!!!そう思って、立ち上がった瞬間
雪「こういうことを練習してました!一回だけ、山崎様に付き合ってもらいましたけど。」
土・総「へ?」
情けない声が出る。
雪「だから、こういう練習してました。武田様に教えてって言われたので。」
土・総「えぇぇぇぇ」
土「何だよ・・・。練習って、心臓に悪い。」
はぁ・・・。最後までいてよかった。勘違いするところだった。
総「じゃ、じゃあ、雪の好きな人は?」
雪「総司様です。」
即答してくれた彼女をぎゅっと抱きしめる。
はぁーっと長いため息をつく。
ん?じゃあ、丞ちゃんが言ってたのは・・・。全ての点が線に繋がると、安心感でおかしくなってくる。
総「くくくくくっ」
土「総司。笑いすぎだ。」
総「だっ・・だって、土方さん、本気になりましたよね?くくくっ。」
土「お前だって、本気にしてただろ!?俺は、いきなりだから驚いただけだ!あーあ・・・。山崎もこれ喰らったか。だから、あんな事言ってたんだな。本当に人騒がせな!」
総「まぁ、でも何でそんな事教えてたの?あれって告白みたいだよね?それがいくみ様?」
僕は、いくみ様っていう謎の人物の事も聞いた。心のモヤモヤ全部取って欲しかったから・・・。
雪「イクミ様っていうのは、コレです。」
と雪が男の面を被った。
雪「未来の芸事をされてる方です。練習に目線とかって大事で、私でしてって言ったら私じゃ無理って仰るので、このお面付けてしてたんです。」
なんか、全てが解ると慌ててた自分がおかしくなった。
土方さんは、あの告白がよほど効いたのか、もういい行けと言った。
すると、
雪「お二人共、他言無用でお願いします。もし、誰かに言ったら・・・。さっきの事を言いますからね?私の誘惑にタジタジのお二人だったって。これ証拠♪」
とさっきのやり取りが小さい箱の中に映る。
特に土方さんの表情がよく映っていた。『ね?副長と一番隊組長殿♪』と釘をさされた。
二人して、部屋を出ると、雪は、武田さんの所へ行くと言う。
僕は、それをさせたくなくて、部屋に押し込んだ。