千年の時空を越えて
雪「あ・・・。えっと。」
丞「雪・・・。こんな所来るもんちゃうで。」
雪「はい。でも痛み止めだけでもって思って。手伝います。」
丞「そーか。ありがとう。」
雪「山崎様にお願いがあるんですけど・・・。」
丞「どうしようかなぁー。雪のお願いの後はええことあらへんしなぁ。」
雪「今から、未来の手当ての方法をこの方でするので、覚えてもらえませんか?」
丞「え?」
手を止めた山崎さんが私をジッと見つめる。
丞「何でそんなん言うん?いつも、自分でしてたやん。俺が、見ようとしても『見ちゃだめ』って可愛く言うやん。何でいきなり・・・。自分でやりぃや。また、俺、目瞑っとくし。な?」
雪「可愛くないですけど。でも、手当ての方法、覚えて下さい。お願いします。」
頭を下げる。池田屋事件。私は、きっと、手当てしてあげれない・・・。
山崎さんには解っちゃったかな。声が震えてるし。私が、いきなり、剣の稽古をし出して、これだもんね。ごめんね。
私の気持ちを察したのか、山崎さんは力なく「わかった。教えて?」と言ってくれた。
手当てが終わった頃。平助さんが呼びに来た。
平「雪、こんなとこにいたのか?近藤さんが呼んでる。」
雪「はい。では、行きますね。」
丞「あぁ。後はやっとくし。」
雪「ありがとうございます。」
そして、部屋を出た。