千年の時空を越えて
痛む心
怪我から目が覚め、数日。
総司さんの咳は少しずつだが酷くなっている。
でも、総司さんは、自分に言い聞かせるように、その事を皆に隠している。
総「雪。」
頭を撫でて抱き寄せられる。
ギュッと抱きしめられ、頭に、口づけされる。
抱きしめ返すと、総司さんは、頭の上で、コホコホと咳をしている。
雪「大丈夫ですか?」
背中をさする。
総「大丈夫です。ケホッ。・・・。ゲボゲボ。」
雪「お水、お持ちしましょうか?」
総司さんは、咳をしながら、頷く。
私は、立ち上がり、部屋を出る。
部屋を出た途端、涙が零れる。
泣いちゃダメだ。唇を痛いほど、噛み締め、上を向く。
はぁっとため息を一つ出して、水を取りに行く。
水を、差し出し、総司さんが一気に飲み終えると、抱き寄せられる。
雪「最近の総司様は、どうしたのですか?ひっつき虫になってます。」
総「うーん。こうして雪の事、抱きしめてると落ち着きます。」
雪「私もです。」
そう言って、唇を合わせる。
総司さん・・・。私は、どうしたらいいんでしょうか?
このまま、あなたを見届ける事が出来るのかな・・・。
胸が、痛い・・・。
それでも、まだまだ、動ける総司さんは、一番隊組長として、働いている。
私は、縁側に来て、考える。
すると・・・。