千年の時空を越えて
痛む心





怪我から目が覚め、数日。





総司さんの咳は少しずつだが酷くなっている。






でも、総司さんは、自分に言い聞かせるように、その事を皆に隠している。






総「雪。」





頭を撫でて抱き寄せられる。




ギュッと抱きしめられ、頭に、口づけされる。





抱きしめ返すと、総司さんは、頭の上で、コホコホと咳をしている。




雪「大丈夫ですか?」




背中をさする。




総「大丈夫です。ケホッ。・・・。ゲボゲボ。」





雪「お水、お持ちしましょうか?」




総司さんは、咳をしながら、頷く。




私は、立ち上がり、部屋を出る。






部屋を出た途端、涙が零れる。






泣いちゃダメだ。唇を痛いほど、噛み締め、上を向く。





はぁっとため息を一つ出して、水を取りに行く。




水を、差し出し、総司さんが一気に飲み終えると、抱き寄せられる。





雪「最近の総司様は、どうしたのですか?ひっつき虫になってます。」





総「うーん。こうして雪の事、抱きしめてると落ち着きます。」





雪「私もです。」



そう言って、唇を合わせる。





総司さん・・・。私は、どうしたらいいんでしょうか?




このまま、あなたを見届ける事が出来るのかな・・・。



胸が、痛い・・・。



それでも、まだまだ、動ける総司さんは、一番隊組長として、働いている。



私は、縁側に来て、考える。



すると・・・。










< 246 / 481 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop