千年の時空を越えて





馴染みの気配をたどると、女の子が皿洗いをしている。こちらに顔を背けて。





これは・・・。そっか・・・。そういうことか・・・。




雪「初めまして。」






女の子「初めまして。鈴と申します。」




雪「丞だから鈴?」




ビクッと体が揺れている。





雪「へぇ・・・。丞様ってこんな趣味が・・・。」




丞「ちゃう!あ・・・。」





雪「どうせ、土方様からの監視でしょう?」





丞「いっつも見つかる・・・。俺、自信無くしそうやわ。」






雪「特別ですよ。何故か丞様だけ解るんです。」





丞「え・・・。」




赤くなっている。






雪「土方様に言っておいて下さい!!私、仲居希望がこんな事になってるし!」






丞「でも、売れっ子やん。」




雪「言わないで!」





丞「なぁ・・・。ごめんな。その・・・。」





雪「え?あぁ・・・。気にしてないです。丞様は、当たり前のことしただけです。言ってくれたおかげで全部話す手間も省けましたしね。」





ギュッと抱きしめてチュッとキスをした。




雪「戻れたら、って約束。」




丞「出来ればこんな格好でしたなかったなぁ・・・。」





雪「綺麗ですよ。さすが趣味を極めて・・・。」




丞「ちゃうから!」





そう言って笑っていると、女将さんに呼ばれて、丞さんと別れた。




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