千年の時空を越えて
バッと受け身を取り、相手を睨む。
雪「え?総司様?」
そこには、怖い顔をした総司さんが立っていた。
もう一度、腕を掴まれ、空いてる部屋に押し込まれる。
雪「あの・・・。」
総「さっきの男は何ですか?」
雪「お客様ですが・・・。」
総「なんで、こんな所で芸妓してるんですか?仲居でも良いじゃありませんか!それとも、男にチヤホヤされたかったから?」
雪「違います!」
総「じゃあ、どうして!?」
雪「それは、金子が必要で・・・。」
総「なんで、金子が必要なんですか?」
雪「それは・・・。」
総「また『言えません』ですか?また、秘密ですか?この前、あんな事があったのに!」
雪「すみません・・・。」
怒るのも当たり前だ。
総「もういいいですよ。今日は、お客として相手して下さいよ。どうせ、恋仲でも何も言えないんでしょ。それじゃ、さっきの客と何も変わらない。だったら、僕の相手もして下さいよ。」
そう言って、総司さんは、私を、押し倒して、着物を無理やり脱がしてきた。
雪「止めて下さい!!総司様!」
悲しい目で見つめられ、無理やり、唇を奪われる。心のこもっていないキスに涙が出てきた。首筋や胸の辺りに、噛みつくように、赤い痕を残していく。
雪「止めて!」
無理やり、総司さんが私の中に入ってこようとしたとき、
スパーーーーン
土方さんが立っていた。
土「お前、何やってんだ?」
総「また、邪魔されましたね。今日は、秋風さんにお相手してもらおうと思っただけです。」
土「何言って・・・。」
総「もう良いですよ。興が冷めました・・・。今日は、もう帰ります。」
そう言って、総司さんは、部屋を出て行った。
総司さんに、嫌われた・・・。何も言えない苦しさと、総司さんに言われた事で胸が潰れそうだ。
失恋ってこんなに、苦しいものなの?
放心状態の私に、土方さんは、着物をかけてくれて抱きしめられた。