千年の時空を越えて
牢屋に入ると、足の力が抜けペタッと座り込んだ。鍵は・・・。誰かに閉めてもらえばいいか・・・。自分で閉めて入ってたらおかしいもんね・・・。
私は、山南さんが好きだと言ってくれた歌を歌っていた。
ガタッ。
音のする方を見ると、平助さんが立っていた。
雪「平助様・・・。」
平「山南さん、雪がしたんだろ?まるで寝てるみたいだった・・・。」
雪「はい・・・。そうですね・・・。安らかなお顔でしたね・・・。」
平「雪、こっち来ない?伊東先生の力になって欲しいんだ・・・。」
雪「え・・・。」
平「伊東先生も雪を気に入ってるし、こっち来てくれたら嬉しい・・・。山南さんも、きっと・・・。」
雪「はは・・・。熱烈ですね・・・。あ・・・。そういえば、伊東様に、私の秘密を言いましたよね?」
ジロリと睨む。
平「う゛・・・。ごめん・・・。」
雪「だから、私が、欲しいんですよね?伊東様は・・・。」
平「そうだね。雪・・・。よくさぁ・・・。言ってるよね?後悔しないでって・・・。」
雪「はい。」
平「俺も後悔したくない。今の新選組は・・・。」
雪「平助様。私は、何も出来ないし何も言えない。でも、平助様も後悔はしないで下さい。人生悔いなしですよ?」
平「うん・・・。あのさ・・・。山南さんが文を持ってた。雪に感謝してたよ?後悔はないって・・・。」
そっか・・・。良かった・・・。
雪「良かった・・・。ふっ・・・。ふえっ。さ・ん・・なん様・・・。良かった・・・。う゛~うぐっ。ぐずっ。」
平助さんは、ギュッと私を抱きしめポンポン背中を叩く。
平「俺の時はさぁ・・・。あの歌、歌って欲しいな・・・。」
雪「え?」
平「俺も、山南さんみたいに後悔なく生きたい。」
雪「はい。お互い後悔しないように・・・。」
平助さんは、私の頭にポンと手を置いて、立ち上って出て行った。