千年の時空を越えて
私は、外に出て、総司さんの部屋へ行った。
雪「総司様。」
部屋の中には、人の気配はない。
ここじゃなかったら・・・。山南さんとこかな?
山南さんの眠っている所へ行く。
あ・・・。いた。
私は、部屋に入る。
総司さんは、チラッとこちらを見て、フイッと顔を背ける。
雪「あの・・・。」
総「相田って人と恋仲なんでしょ?」
雪「はい・・・。でも、土方様がなんとかしてくれるみたいです。」
総「最低ですよね?」
雪「はい・・・。ごめんなさい。総司様からすると最低な女です。」
総「山南さんの為だったんでしょう?」
雪「時間が無かったとはいえ、やり方は、最悪でした。」
総「この前はすみませんでした・・・。酷い事しました。」
雪「いえ・・・。いつもいつも、何も言えない私が、悪いんです。総司様は優しいから・・・。」
総司「優しくなんてないです・・・。だって、僕は・・・。」
雪「総司様・・・。こんな辛い時に、ごめんなさい・・・。」
兄と慕っていた人を、介錯した後に、恋仲が、裏切ったんだ。
こんな事されたら、普通は愛想が尽きる。
総司「別に良い・・・。本当だったら、別れ話の一つでも出来れば、格好いいのかもしれない・・・。でも、それでも、君に、側に、いてほしいって思ってる・・・。情けないよね・・・。」
私は、首を、左右にブンブンと振った。
すると、総司様は、私を抱き寄せた。
ギュッと力がこもる腕に抱かれて、抱きしめ返すと、総司様は、声を殺して泣いていた・・・。